1. HOME
  2. ブログ
  3. カルチャー
  4. 近所の本屋が閉まってた話

近所の本屋が閉まってた話

最近、英語の勉強を始めました。

というのも、今は定職がなく時間だけがある状態なのですが、いま個人的に新しいことを始めようと準備しているところで、そこに英語が必要だったりするので、目標として「IELTS」というテストで高得点を目指そうと思い立ったのです。

ただ、こういう本はネットで買うよりも、書店で中身を見てから買いたいので近所の書店に繰り出しました。

 

閉店していた「本の森」

向かったのは桃谷商店街のアーケードにあった「本の森」という本やCD、ゲームを扱っているお店で、僕が小さかった頃から通っていた本屋さんです。

ただ、最近は本屋は梅田の紀伊國屋か古書の町にしか行っていなかったばかりか、コロナ禍になって電子書籍(Kindle)やネット通販で買うようになっていたので、正確な場所を失念していたのでキョロキョロしながら商店街を歩いていたのですが・・・

・・・ない・・・

商店街を突っ切ってしまったので、もう一度引き返すことに。

・・・ない・・・

なんと閉店していました。

何故今まで気がつかなかったんだろう・・・

「本の森」は僕が初めてCDを買ったお店で、よく中高生の頃はよく学校帰りに寄ってゲームや漫画をチェックしていたりと、馴染みがある店で、数年前に寄った時には、僕が小学生の頃からおられた店員さんがまだいらして、「老けない人だなあ」と密かに思っていたものです。

その「本の森」がなくなったんだな・・・映像のサブスクが出るまでは重要なインフラであった「TSUTAYA 桃谷店」に続いて僕の青春の痕跡がまた減ったことに少しばかり寂しさを覚えました。

 

やっぱりネットの方が便利

「本の森」が閉店したことが判明したところで、諦めてネットで買えばよかったのですが、いかんせん時間だけはあるもので自転車を走らせて鶴橋、玉造の本屋を周ってみることにしました。

そこで驚愕したのは、圧倒的な品揃えの悪さでした。

英語テストに至っては、「IELTS」はおろか、「TOEIC」以外の参考書は皆無でした。

結局ネットで購入することに・・・

かなり狭い範囲での調査ではありましたが、単純に本を手に入れることが目的であるなら、本屋にいくよりネットが断然便利だと感じました。

僕は紙媒体が好きなので、単行本や文庫本を求めることが多いですが、それも欲しいものは大体Amazonにありますし、なくても他のショッピングサイトをサーフィンしていれば大体の場合見つかります。最近は「Amazon Prime」の会員特典で対象の電子書籍が読み放題というサービスも利用しているので、iPadのKindleアプリで読んだりもします。

ネットは本当に便利です。僕みたいにヒマ人ではなくて忙しい人なら尚更、通勤電車の中で注文して翌日には届くネット通販や、その場で決済してすぐに読める電子書籍を使うに決まっています。

どこかの記事で、都会の本屋の閉店が急増しているという話がありましたが、ネットや電子書籍がここまで広く普及した今、市場経済の論理で言えば本屋が淘汰されていくのは当然なのかもしれません。

 

本屋さんの良い点

でも、僕は本屋が好きなのです。町から本屋が消えていく現状には少しばかりもの悲しさを覚えます。

このままでは何とも悔しいので、ネットにはない本屋の長所をいくつか考えたのでプレゼンしてみます。

 

①本や作家との出会いがある

ここは大きな部分かなと思います。

欲しい本がなくても、ふらっと寄って立ち読みして気に入って買った本もありますし、それが好きな作家との出会いになったりもした経験は結構な人がされているのではないでしょうか。

僕の場合最近では、少しだけ知っていた中村哲さんの本や、中島らもの僕が知らなかった文庫本を本屋でたまたま見つけて買いました。

また、話題になっている本や、特定のジャンルの本を探していて、通販サイトのレビューで決めたりすることがネットでもできますが、表紙やタイトルで目に止まった本を少し立ち読みしてみて買うかどうか決めるというのは、お店だからこそできることだと思います。

まぁ、立ち読みってマナー違反らしいですし、立ち読み防止のためにビニール包装している本屋さんもありますので、怒られるかもしれませんけどね・・・(笑)

②古本屋の掘り出し物

古本屋はまた違った魅力がありますよね。それこそネットでは味わえない楽しみがあります。

昔の雑誌や、古い小説や漫画を見てると、昔の時代にタイムスリップしたみたいな気分になれます。

西成のあいりん労働センターの近くに小さく古い本屋があるのですが、そこは何十年も前のファッション雑誌などが雑多に並べられています。

値段も100円とかが多いので、懐かしさで買ってしまったり・・・

あと、そこでとっくの昔に解散したインディーズバンドのすでに廃盤になったCDが売っていました。ファンの方が見つけたら狂喜乱舞だろうなと思いました。

もう存在そのものがアミューズメントなんです。

そういうノスタルジーや掘り出し物と出会える古本屋は、ネット時代でも固有の価値があるのではないかなと思っています。

③歩いてるだけで楽しい

結局はそこに尽きるんじゃないかなと思います。

今は大体のものがネットで買える時代ですが、お店で買い物するのって、目的の商品にたどり着く以外の楽しみもあるのだと思います。

誰かと一緒なら、置かれている本について話し合ったりできますし、その店が推している本や紹介POPを読んだりするのもまた一興です。

そういう何となく立ち寄れる本屋さんが消えていくのは寂しいものです。

 

利便性ばかりでなく

だらだらと書いてしまいましたが、僕たちの社会はあらゆることがネットで済ますことができる時代に来ています。

お金や株の取引はもちろん、買い物も、人との出会いだってネットで出来てしまうようになりました。

そこに対して「昔はよかった」なんて僕は思えないです。(まだ28歳なので昔もヘッタクレもありませんが 笑)

今の方が色々と便利ですし、ネットを通じて出会えた音楽仲間もいますし、色々な新しい機会をネットから享受していると思っています。

ただそれと引きかえに消えゆく場所があり、景色がある。

時代と共に色々なものが変わっていくのは当然ではあるのですが、本屋や銭湯がなくなるのは僕にとっては悲しいことです。

きっとそういう「消えてほしくないもの」が僕にもあなたにも、それぞれの人の中にあるのだと思います。

その中には案外、利便性を超えた価値、つまりその人を生かしているなにかがあるのではないかな、なんて論理性のカケラもないキレイゴトかもしれませんが思っていたりします。

最近は、若い人たちによる銭湯文化を守る取り組みなんかがメディアで取り上げられていたりしますが、そういうのは本当に素晴らしいと思いますし、自分にも何か力になれることがあれば嬉しいですね。

今度、新たな出会いを求めてまた本屋に行ってきます。

ちなみにですが、「本屋に行くと便意が来る」という人が多いそうです。僕もその一人です。

便秘改善の効果期待できるとは、何と優秀なのでしょう、本屋の未来に幸あれ!

関連記事