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焼酎「二階堂」のCMが深い。ノスタルジー漂う名言を肴に一杯

世知辛い毎日です。コロナのおかげで飲みに行くということが全くできなくなりました。

こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、私はお酒を飲むのが大好きです。といっても最低限健康には気を使っているので、ビールや日本酒は控えめに、主に焼酎やウイスキーを飲んでいます。

好んでよく飲むお酒に「二階堂」という焼酎があります。

味も好きなのですが、その「二階堂」のテレビCMがとても素敵なのです。

ノスタルジーを感じさせる映像と音楽に合わせて、低い声の男性がゆっくりと視聴者に語りかけます。それが人生の哀愁を感じさせる内容で見るたびにしんみり感傷的になってしまいます。

つまり、しっぽりと呑みたくなります

その中でも特にお気に入りの回を二つ紹介します。

 

①「ふりかえると明日」篇

「思えば 守れない約束ばかりだった。
会いたい人と会えない人 風の便りはいつも風向き次第。
どうか タイムマシンが開発されませんように。
目を閉じるだけで十分です。」

「二階堂酒造」公式HPより引用

田舎の昔ながらの学校の校舎や図書館、駅舎・・・懐かしさと微かな寂しさを感じさせる映像の中で読まれるこの言葉です。

誰もが持っている少年・青年時代の思い出がよみがえってきますね。

過去に戻れたらやってみたいことなど、考えてみるのは楽しいものですが、もう思い出になってしまったけれど「また会いたい」と思える人がいる。

また会える会えないの問題ではなく、そんな人と出会えたこと自体が本当に尊いことなのだと思います。

ひとり焼酎を傾けながら、思い出に心巡らす。

コロナ禍でも怒られないお酒の飲み方です。

 

②「消えた足跡」篇

「近道は遠回り 急ぐほどに足を取られる
始まりと終わりを直線で結べない道がこの世にはあります
迷った道が 私の道です」

「二階堂酒造」公式HPより引用

こちらも田舎町の畦道や小川、石橋、バス停などと、そこに生きる人々の姿が哀愁漂わす色味で描かれた映像と共に語りかけられます。

「始まりと終わりを直線で結べない道」

良い言葉ですね。人生は本当に一筋縄ではいかない。自分の心も身の回りの状況も移ろっていく。また、災害や事故で一瞬で全てが変わってしまうことだってある。

そんな不確かさの中で、たとえ真っ直ぐでなくとも一歩一歩踏みしめてきた道がその人の人生になっていくのでしょう。
また、この映像の最後には「一生に何回 後悔できるだろう(「二階堂酒造」公式HPより引用)」とコピーが入ります。

ハッピーで明るい人生観ではなく、迷いや後悔という、人生における苦しさや切なさを蔑ろにしない、むしろそこに人生の本当の意味での美しさを見出していくという深い人生観が30秒の映像の中に凝縮されています。

 

③「文字のかけら」篇

イエスとノー その二つの間には何もないのだろうか
筆を走らせたのは 宙ぶらりんの想いでした。

            想いのかけらは 朽ちることなく 
             ざわざわと 心を揺らします

私はまっすぐ麦100% 大分むぎ焼酎 二階堂

「二階堂酒造」公式HPより引用

こちらは先の二つと比べて抽象的ながら味わい深い文章になっています。白黒はっきりと言いきって、行動していくことが求められる私たちの社会の中で、取り残されていく想いがあります。「宙ぶらりん」という柔らかい言葉を使いながらも、目まぐるしく移ろう時代の中での寂しさ、切実さがしみじみと伝わってきます。

映像のコピーは「時代という言葉が 少し耳ざわりです(「二階堂酒造」公式HPより引用)」となっています。

普段、目の前の生活で忙しくしているのであまり意識しないでいますが、こういうCMを見て「いいな」と思うのは、自分の人生や置かれている社会に対して、一抹の感傷が心の片隅にあるからでしょうね。

 

CMは世界観重視

いかがでしたでしょうか。

CMといえば、その商品の品質や快適さをアピールするものや、好感度の高いタレントを起用したイメージ戦略が多いですが、私はこの「二階堂」のように、そのブランドが大切にしている世界観を丁寧に描いたCMが一番その製品に触れたくなります。

お酒というのは、味そのものだけでなく、どんな気分で飲むかによっても味が変わる正直な飲み物です。

焼酎好きの方には是非CMを見てから「二階堂」を味わっていただきたいです。

きっとより一層美味しくなることでしょう。

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